「彼女が欲しい」に騙されないために

初めまして。野村と申します。本日より日記を公開させて頂くことにしました。 この日記を始めるきっかけについて語る前に。過去に実際に起きた事件を紹介します。  バレンタインの日でした会社の義理チョコと母親からのチョコを食べながら思ったんですよね「あれ、なんか俺寂しくない?」と。「バレンタイン、2チョコ。てか実質0じゃん」って。世間では女性が心のドキドキを煮詰めてチョコレートに固めているのに僕は0。ドキドキは?なし?って。  そこで、僕は奮い立ちました「彼女を作るぞ!」と。僕はいわゆるゲーセン族、青春のすべてをゲーセンで過ごしてきました。部活とかもやってないです。ゲーセン部です。そんなネクラな男が立ち上がったところで~、という話ではありますがとにかく「彼女を作る」という夢を胸に行動を開始したわけです。 まず僕は友人を集め「野村の彼女作成委員会」を結成し勝手に役員に任命、彼女の作り方の意見を伺いました。委員会のなかでああじゃねぇこうじゃねえの激論争の末、最有力候補は「粘土」で落ち着いたのでこいつらはダメだ、使えねぇなと思いインターネットで「彼女の作り方」で検索をしました。 結果、出会い系がいいと。いろんなメールをたくさん送り、一期一会を数うちゃ当たる戦法で戦えと。 なるほどと思いましたね。効率がいいしなにより後腐れがないじゃないですか。さっそく僕は出会い系に登録しました。一発で心が折れないよう登録が簡単で、しかも知り合いにばれにくいサイトを選びましたチキンハートです。でも舐めないでください。こちとら何年もゲーセンで熟成されたネクラが人生初の出会い系サイト登録です。「バレたら絶交か、死のう」ぐらいの覚悟でした。  そしたらですよ。業者に捕まって有料サイトに引っ張られろなんて思う人もいるかと思うんですけど、みごと一人の女性と出会うことができました。  恥もプライドも掻き捨て猛烈なアタックが相手の心に響いたのか新宿のパルコでデートすることに。もう舞い上がっちゃって。服はどうしようか、今日の行き先のプランは、どんな会話で盛り上げようか。あらかじめ顔写真は交換しておかなかったので綺麗な女性がくるといいなと思ってました。 そしていざご対面の時。僕の目の前には「愛子様」がいらっしゃいました。  いえ、だいぶ盛りました。「朝青龍」が来ました。みごとな巨漢で、のっしのっしと歩いている姿はまさに大関で、期待していただけにショックで、もう本日の予定なんて頭からパーですよ。とりあえず飯を食べて、彼女は会っていきなり卓球がやりたいってんで卓球場に行き、カッコンカッコンやりながら思ったんですよ。 「会っていきなり卓球はおかしくないか?」と。せめて必死で考えた俺のプランは聞いてくれないか?  2時間ほどでしょうか。お互い卓球のプロではなかったので満足して帰ることに。僕はこの時「これでよかったんだ、俺には早すぎたんだ」と自分に言い聞かせてました希望は砕け、虚無感だけが残り、パンドラの箱の底には絶望だけ。   人によっては良くある話でしょって話なんですけど、見事打ちのめされた僕は帰って寝て、起きたら速攻で出会い系の登録を削除しました。  それからしばらくは「ティンダーていう出会い系おすすめ」とか「いま熱いサイトがあって」なんていう友人からの勧誘もすべて断りました。もう二度とあんな思いはしたくない一心です。  とまあ、冴えない男が火傷してからしばらくたったある日僕のツイッターにこんな投稿がありました。「アズレンのセントルイスが…ヤバい」 どれどれ……と覗いてみると 気付いたら「エッッッッロ!!!」「けしからん!!!」と叫んでいました。もう正直に話しちゃいますと、気持ち悪いと思うでしょうが、ど真ん中ストレートなんです。しょうがないんです。朝青龍だって四股踏むより先にシコリますよ  僕はこんな彼女が欲しい……そこで僕は……考えました。どうしたらリアルでこれが見られるのかと。でも結論は出てるじゃないですか。彼女を作って着てもらうしかないと……  僕はこの画像を見て、今度こそ彼女を作ろうと思い立ち上がりました。過去の事故を乗り越え、自分が人間としてゲーセンという暗闇で育ったもやしから進化するため僕は「決別」の覚悟でもってこの日記をつけ始めます。 わけわからないかもしれないですけど、僕なりのケジメだと思ってもらえればいいなと思います。とにかく「セントルイスのコスプレをしてくれる彼女を作る」ことを目標に、努力と研鑽を重ねていこうと思います。いつかきっと「無駄じゃなかった。努力は報われた」と思える日が来るように。そしてそんな日の僕の喜びを分かち合えたら最高じゃないですか。そう思って、僕は日記をつけ始めさせて頂きます。   ですので、実はもう最後の日の日記のタイトルは決まっていますその日記タイトルは「彼女が出来ました」です。ただ一枚の写真だけの日記です。そこには二人の人物が写っていることになるでしょう。 -----満面の笑みでピースサインを出す、僕とセントルイスのコスプレをした朝青龍です。  今後ともよろしくお願い致します。

女たちの彼女が欲しい

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