そういえば彼女が欲しいってどうなったの?

彼女が欲しい通販で宅配

パラレルです

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「父さん、どうして僕にはお母さんがいないの?僕もお母さんが欲しいよ…」
「ユンホ…ごめんな、寂しい思いをさせて…いつか、母さんと…そうだな、弟か妹も作ってやろうだから、今は父さんと2人で頑張ってくれるか?」
僕だってもう小学生だ本当は、分かっているんだ母さんは、僕がまだ、とても小さな頃に天国へ行ってしまったって…
でも、友達のお母さんを見たら寂しくて、羨ましくて…

「本当?約束だよ、父さん」
大きな掌で僕の頭を撫でて、大きく頷く父親と、指切りげんまんをしたんだ
 

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「ユンホ、今日なんだが…学校が終わったらすぐに帰って来れるか?」
「今日はバイト無いから大丈夫だけど…どうかしたの?」
2人だけの朝食の時間父子家庭で、父親は俺を養う為に毎日遅くまで働いてくれている

高校に入学して、バイトや、趣味のダンスで忙しくしているから、2人でゆっくりと過ごせるのは、朝のこの時間しか無い
コホン、と態とらしく咳払いをする父親普段はあまり感情を表に出さないタイプだから珍しい
…え、何これ……もしかして、父さん…照れてるのか??
「えっ何だよ…帰ってきたら何があるの?」
「あー、その、な…私も今日は早く帰るから…」
「怖いから言ってよ何があるのか分からないけど、心の準備したいんだけど…」
「昔、お母さんが欲しい、と言っていただろう?」
「ああ、そんな時もあったよな今は男2人も楽しいって思ってるよ……それに、今は母親よりも彼女が欲しいかな…」
そこまで話してハッと気付いた
照れる父親俺が小さい頃に言っていた『お母さんが欲しい』という言葉を持ち出す父親…
「再婚するの?!」
「あ、ああ…いやでも、お前が嫌ならしないよとても良い人だから、会って欲しいんだお前が昔欲しがっていた…きょうだいになるかもしれない子供もいるんだよ」
「昔?そう言えばそんな事も言ってたような」
真摯な顔で見据えてくる父親 男手一つで育ててくれて感謝している

本人の前では恥ずかしくて言えないけれど、父さんの事を尊敬しているし、人を見る目だって人一倍有ると思う

だから…その父さんが選ぶ人なら、きっと、良い人だと思うんだ
俺だってもう子供じゃない父親が幸せなら、俺はそれを祝福して、受け入れたいと思った
「父さんだって幸せになるべきだよ分かった…今日は早く帰るよ」
「ありがとうお前も大きくなったんだな…」
「…父さんは涙脆くなったんじゃない?」
照れ隠しにそう言って、学校へと向かった
家族が増えるかもしれないそれは俺にとって、未知の世界
父さんの前では言わなかったけれど、不安な気持ちだって正直大きい
けれど、新しい世界は、きっと、俺の前に広がっていて、新しい明日が待っている
俺が難しく考えたってしょうがないよな…
「きょうだいかあ…可愛い妹だと良いなあ」
まだ見ぬ『家族』に想いを馳せたんだ
シム先生も初恋のゆく先も苦悩する2人なので、明るめの2人を書きたくて…新しいお話、はじめてみます応援のクリックお願いします
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